モニターを引っ越しで梱包する方法は?元箱なしも解説!
引っ越しの荷造りで、モニターは後回しになりやすい荷物です。元箱が残っていない、段ボールに入らない大きさ、といった事情が重なり、気づくと前日になっていることも少なくありません。画面が大きいほど扱いにくく、割れた時の出費も大きくなります。
モニターは、画面を守る当て板と、箱の中で動かない固定の2つがそろえば、元箱がなくても運べます。I-O DATAは修理品を送る場合の案内として、液晶画面に段ボールをあてて四隅をテープで固定し、すき間に緩衝材を入れる方法を示しています。
この記事では、I-O DATAやヤマト運輸の公式情報と標準引越運送約款をもとに、元箱がある時とない時の梱包方法、引っ越し業者に任せる範囲、届いた後の確認までを整理します。
- 電源を切る、配線を外すなど、梱包の前に済ませる準備
- 元箱がある時と、ない時のモニターの梱包方法
- 引っ越し業者に任せられる範囲と、標準引越運送約款が定める責任
- 荷物が届いた後の確認と、破損に気づいた時の連絡期限
はじめに、梱包の前に済ませておきたい準備から見ていきます。
モニターの引っ越し梱包の基本と手順
この章では、梱包の前に済ませる準備、元箱の有無による梱包方法の違い、元箱がない時の手順、スタンドやケーブルの分け方を確認します。どの場面でも共通する考え方は、画面を守ることと、箱の中で動かさないことの2つです。
梱包の前に済ませる4つの準備
梱包の前に、電源を切る、配線を外す、動作を確かめる、状態を記録する、の4つを済ませます。梱包そのものより地味な作業ですが、あとで「運送中に壊れたのか、もともと不調だったのか」を切り分ける材料になるため、飛ばさないほうが安心です。
電源と配線については、アート引越センターのパソコンの荷造り案内に、主電源を落としてから、接続している配線をすべて取り外すことが示されています。外したケーブルやマウス、キーボードなどの小物類は、まとめてダンボールに梱包するようにとも案内されています。パソコン向けの案内ですが、モニターの電源ケーブルや映像ケーブルにも同じ考え方が当てはまります。
動作の確認には、はっきりした理由があります。ヤマト運輸のパソコン宅急便のよくあるご質問では、発送前にお客さま側で正常に動作することを確認する必要があり、発送前に正常な動作を確認できない場合は補償の対象外になると案内されています。引っ越し業者を使う場合の約款は別ですが、動く状態で出発したことを自分で示せると、あとの話が早くなります。
具体的には、電源を入れて画面が映るか、ボタンで設定画面が開くかを確かめます。ドット抜けや画面の傷の有無も、この時点で見ておきます。
状態の記録は、スマホの写真で十分です。画面全体、フレームの角、背面の端子まわりを撮っておくと、あとから傷の有無を比べられます。配線を外す前に、どの端子にどのケーブルがつながっていたかも撮っておくと、引っ越し先での接続で迷いません。
外したケーブルは、HDMI、DisplayPort、USB、電源のように種類ごとに束ねて袋に入れます。袋に付箋で種類を書いておくと、荷解きの時に、どれがモニター用か探し回らずに済みます。モニターの電源アダプターが別体の製品は、アダプターも同じ袋に入れておくと、あとで探す手間が省けます。
準備の4点は、電源を切る、配線を外す、動作を確認する、状態を撮影する、です。所要時間は短い作業ですが、破損のトラブルが起きた時に、いちばん効いてきます。
「動作確認や撮影までは大げさでは」と感じる人もいるでしょう。ただ、運送中の破損は、原因が梱包なのか、もともとの不具合なのかを、あとから分けにくい性質があります。数分の確認で、その分かれ目を残せます。
準備が済めば、梱包の作業は元箱の有無で分かれます。
元箱の有無で梱包方法は変わる
元箱が残っているなら、元箱に入れて運ぶのが基本です。元箱には、そのモニターの形に合わせた緩衝材がついているのが一般的で、画面を守る作りがすでに整っているからです。
運送会社の案内も、同じ方向です。ヤマト運輸の精密機器・パソコンの梱包方法には、「購入時の箱をご用意ください。」「購入時と同様の状態になるように梱包ください。」という案内があります。購入時の箱がない場合は、パソコンBOXを利用するとされています。
パソコン宅急便のよくあるご質問でも、購入時の箱(メーカー梱包箱)をお持ちであれば、その箱に梱包して発送できると案内されています。アート引越センターも、パソコンの梱包について「購入時の箱がある場合はご用意ください。」と案内しています。
元箱に入れる時は、緩衝材の向きと差し込み位置を、開けた時の状態に戻します。箱の側面に向きの表示があれば、それに従います。
元箱をきれいなまま運びたい場合の工夫も案内されています。ヤマト運輸の案内では、購入時の箱のままで送れるものの、輸送による箱の汚れやキズを避けたい場合は、外装用の段ボールに入れるようにとされています。
「元箱は大きくて置き場所に困り、とっくに捨てた」という人は多いはずです。その場合は、次の見出しの梱包材で組み立てます。ただ、メーカーによっては元箱を買える場合もあるので、型番から公式サイトを確かめる価値があります。
元箱が手元にある人は、それを使うだけで、梱包の難しさの大半が片づきます。梱包方法を考えるのは、元箱がない時からで足ります。
元箱がない時の梱包材の選び方
元箱がない時は、段ボール、緩衝材、テープの3つをそろえます。I-O DATAの梱包のしかた(修理品の送付方法)には、液晶画面に段ボールをあて、四隅をテープで固定すること、すき間に緩衝材を入れて箱の中で動かないようにすることが示されています。この2つを実現する材料が、ちょうど3つに当たります。
| 材料 | 役割 | 選ぶ時の目安 |
|---|---|---|
| 当て板の段ボール | 画面を覆って面で守る | 画面全体を隠せる大きさで、折れにくい厚みのもの |
| 外箱の段ボール | モニター全体を収める | モニターより一回り大きい箱。底はテープを十字に貼る |
| 緩衝材 | 底に敷き、すき間を埋める | エアパッキン(気泡緩衝材)が一般的。新聞紙はすき間埋めに使う |
| テープ | 当て板の固定と箱の封 | 養生テープや布テープ |
外箱の大きさは、モニターの外形寸法を基準に決めます。多くの製品ページの仕様欄には、幅、高さ、奥行きの寸法が載っているので、スタンドを外した状態の寸法を確かめます。そこに緩衝材の厚みを足した分だけ、余裕のある箱を選びます。箱が小さすぎると緩衝材が入らず、大きすぎるとすき間が増えて固定しにくくなります。
外箱の底の貼り方は、サカイ引越センターのよくある質問に案内があります。ダンボールの底はガムテープを十字に貼ってしっかり固定し、井桁の貼り方は重さで底が抜ける原因になるため避けるようにとされています。モニターは軽くても精密な機器なので、底抜けだけは避けたい部分です。
緩衝材については、アート引越センターの荷造りの案内に、気泡緩衝材(エアパッキン)などのほか、新聞紙を使って梱包する方法も一般的と書かれています。ただし、これは割れ物全般の案内です。モニターの画面を面で守る当て板は、I-O DATAが示すとおり段ボールにして、新聞紙はすき間を埋める用途に回すと、役割が分かれます。
テープは、I-O DATAの案内で、当て板の固定に養生テープや布テープが挙げられています。強く貼りつくテープを画面のまわりに使うと、はがす時に困る場合があるため、この案内に沿って選ぶと無難です。
元箱を買えるメーカーもあります。EIZOのよくあるご質問では、モニターの付属品と梱包箱を、付属品(サービスパーツ)として販売していると案内されています。ただし、修理サービスを終了した製品は、販売も終わっている場合があります。
「新聞紙だけで済ませたい」と考える人もいるでしょう。緩衝材が足りないと、箱の中でモニターが動き、画面に当たる力が一か所に集まりやすくなります。材料費は、モニターの修理や買い替えの費用と比べれば、わずかな額です。
3つの材料を先にそろえておけば、当日は手順どおりに進めるだけです。足りない材料が途中で見つかると、作業が止まって前日の夜に買い出しへ行くことになります。
元箱なしで画面を守る梱包の手順
画面に当て板を固定し、緩衝材を敷いた箱に入れ、すき間を埋める。これが元箱なしの梱包の骨格です。I-O DATAが案内している手順を、引っ越し向けに並べると、次のようになります。
- 台座やケーブルなどの付属品を外します。
- 液晶画面に段ボールをあて、動かないよう四隅をテープで固定します。
- クッション性のある緩衝材を箱の底にしいてから、モニターを置きます。箱とモニターが直接触れないようにします。
- すき間に緩衝材を入れて、箱の中で動かないようにしっかり固定します。
- 台座やケーブルは、液晶画面とは逆側にまとめて入れます。
- テープでしっかり封をします。
手順を図にすると、画面に当て板をつけ、底に緩衝材を敷き、すき間を埋める流れが一目で分かります。
画面に段ボールをあてる理由は、力を面で受けるようにするためです。I-O DATAの手順は、画面を段ボールで覆うことで、箱の壁や他の荷物が触れた時にも、力が画面の一点に集まりにくくする作りだと読み取れます。
「箱とモニターが直接触れないように」という点は、底だけでなく側面と上側にも当てはまります。箱の底に緩衝材を敷いてモニターを置いたあと、左右と上のすき間にも緩衝材を詰めます。
箱を軽く揺すって、中でモニターが動く感触があれば、固定が足りていません。動かなくなるまで、緩衝材を足します。
テープの貼り方について、案内には位置の細かい指定がありません。画面の表面に粘着面が触れないよう、段ボールとフレームを留める形にして、粘着の弱い養生テープを使うと安心です。
「ここまでやるのは手間が大きい」と感じる人もいるでしょう。元箱なしで運ぶ場合は、これが必要な作業量です。手間を避けたい時は、業者の梱包サービスを使うか、買い替えを選ぶ方法があり、どちらも後の見出しで扱います。
画面に当て板をつけ、緩衝材で固定する。この2つを守れば、元箱がなくても梱包の目的は果たせます。
スタンドとケーブルは画面と別に入れる
スタンドとケーブルは取り外し、画面とは別の場所にまとめて入れます。付属品が画面の近くで動くと、それ自体が画面を傷める原因になるからです。
I-O DATAの案内では、付属品のうち取り外せるもの(台座、ディスプレイのネック、電源ケーブル、LANケーブルなど)は、輸送中の破損を防ぐため、取り外した状態で同梱するよう書かれています。台座やケーブルは、液晶画面とは逆側にまとめて入れるとも案内されています。
ヤマト運輸のパソコン宅急便のよくあるご質問には、さらに具体的な案内があります。台座を外して梱包する場合は、自分で緩衝材(プチプチ、新聞紙など)を使うこと、周辺機器(キーボードやマウス)や台座は、モニターと同じ場所に同梱しないことがそれぞれ示されています。
詰め方の例を挙げます。台座は緩衝材で包み、ケーブルは束ねて袋に入れ、ネジは小分けの袋にまとめます。袋に「モニターのネジ」のように書いておくと、引っ越し先で迷いません。
壁掛けやモニターアームに取り付けている場合は、アームからの取り外し方が機種ごとに違うため、取扱説明書の手順で外します。外したネジは、モニターの背面ではなく、袋にまとめて保管します。
「スタンドをつけたままのほうが手間が少ない」と考える人もいるでしょう。つけたままだと、スタンドが箱の中で画面側に動いて、画面を押す危険があります。元箱の緩衝材がスタンドつきの形に作られている場合は、その形に従うのが優先です。
付属品を別にまとめておけば、画面まわりの荷物が減って、固定もしやすくなります。
引っ越しでの運び方と到着後の確認
この章では、引っ越し業者、宅配便、自家用車という運び方の違いと、標準引越運送約款が決める荷造りと連絡期限、届いた後の結露対策と設置の見直しを整理します。運び方が決まると、梱包で気をつける点も決まります。
引っ越し業者に任せられる範囲
業者に頼む場合でも、モニターを誰が梱包するかは見積もりの時に確認します。公式の案内は荷物の種類ごとに扱いが違い、モニター単体の説明が見つからないことがあるからです。
サカイ引越センターのよくある質問では、デスクトップパソコンは梱包・輸送ができ、ノートパソコンは自分で梱包・輸送するよう説明されています。パソコンの配線の取り外しと取り付けは、機種や設定の違いがあるため、自分で対応するとされています。
アート引越センターの案内では、パソコンの梱包は作業スタッフに任せられ、購入時の箱があれば用意するようにと書かれています。あわせて、主電源を落としてから配線をすべて外し、データは自分でバックアップするよう案内されています。
私が確認した範囲では、この2社のパソコンの案内ページに、モニター単体の扱いは書かれていませんでした。パソコンの案内があるからモニターも同じ、と決めつけず、見積もりで直接聞くのが確実です。
聞く内容の例は3つです。1つ目は、モニターの梱包を業者が担当してくれるか。2つ目は、元箱がない時に梱包材を用意してもらえるか、料金はかかるか。3つ目は、モニターが壊れた時の補償の範囲です。
「頼むと料金が上がるのでは」と心配になる人もいるでしょう。追加料金の有無は業者と条件で変わるため、見積もりの段階で金額まで確かめておくと、当日に慌てずに済みます。
モニターの梱包を誰が担当するかは、見積もりの時点で決めておくと安心です。
荷造りの責任と申告のルール
標準引越運送約款では、荷造りは荷物を出す側の役目とされ、壊れやすい荷物は申告が求められます。この決まりを知っておくと、見積もりで何を伝えるかが分かります。
アート引越センターが掲載している標準引越運送約款(令和7年改正)の第7条には、「荷送人は、荷物の性質、重量、容積、運送距離等に応じて、運送に適するように荷造りをしなければなりません。」と書かれています。荷送人とは、荷物を出す側、つまり引っ越しをする自分のことです。
続けて、業者は荷造りが運送に適さないと判断した時、必要な荷造りを要求したり、荷送人の負担で行ったりできるとされています。また、荷送人の申込みに応じて、荷送人の負担により必要な荷造りを行う、という決まりもあります。荷造りを頼めば、その分の負担は自分がする、という仕組みです。
第8条には、荷物を受け取る時に、貴重品や壊れやすいもの(パソコン等の電子機器を含む)などの有無と、その種類・性質を申告するよう、荷送人に求めると書かれています。モニターもパソコンと同じ電子機器なので、同じ扱いで伝えておくのが安全です。
申告しなかった場合の扱いにも、条文があります。全日本トラック協会が掲載している版では、壊れやすい荷物の有無を申告せず、業者が過失なくその存在を知らなかった場合は、運送上の特段の注意を払わなかったことで生じた破損の責任を、業者は負わないと書かれています。
見積もりで伝える3点は、モニターがあること、元箱の有無、梱包を誰が担当するかです。壊れやすい荷物は、申告が抜けると責任の扱いが変わる場合があります。
「約款は会社ごとに違うのでは」と疑問に思う人もいるでしょう。会社によって、細かい条文が異なる場合があります。契約の前に、利用する会社の約款を確認してください。
荷造りの責任は自分にある、という前提で準備を進めれば、業者に任せる部分と自分でやる部分の線引きがはっきりします。
破損の連絡は3か月以内に
荷物の一部が壊れていた時の業者の責任は、荷物を引き渡した日から3か月以内に通知しないと消滅します。標準引越運送約款の第25条に書かれている内容です。
条文は、「荷物の一部の滅失又は損傷についての当店の責任は、荷物を引き渡した日から三月以内に通知を発しない限り消滅します。」となっています。モニターに割れや傷があった場合も、この損傷に関わる条文です。
3か月は長く感じますが、荷解きが進むほど、いつどこで壊れたのかが分かりにくくなります。引っ越し直後は忙しく、モニターの箱を後回しにして、期限が近づいてから開ける人も出てきます。
届いた日の流れは、図のとおりです。開梱した日に画面の割れや傷を見て、写真に残し、早めに業者へ連絡します。連絡がつくまでは、梱包材を捨てずに保管しておきます。
外観の確認と点灯の確認は、分けて考えます。外観は開梱した日に確認し、電源を入れる確認は、次の見出しで扱う結露に注意して、室温になじんでから行います。
3か月の期限があるため、開梱した日に画面の状態を確かめてください。準備の段階で撮っておいた写真と見比べると、傷が増えたかどうかが分かります。
「自分の梱包が悪かった場合はどうなるのか」と気になる人もいるでしょう。荷造りは荷送人の役目とされているため、梱包の状態を写真に残しておくと、状況を説明する材料になります。
期限のある連絡は、早めに済ませるほど確実です。
宅配便や自家用車で運ぶ時の注意
宅配便で送るなら元箱かメーカー専用の箱、自家用車なら箱に入れて動かないように固定します。運び方によって、守るべき条件が変わるためです。
ヤマト運輸の精密機器・パソコン(宅急便)の梱包方法には、「精密機器のため、必ず、購入時の箱もしくはパソコンBOXをご利用ください。」と書かれています。宅配便で送る場合は、元箱か専用の箱が前提になります。
ヤマト運輸のパソコン宅急便のよくあるご質問では、モニターは専用資材のパソコン宅急便BOXで発送でき、ドライバーが梱包する場合は梱包の料金がかからず、配線を外した状態にするよう案内されています。専用資材のBOX自体は有料とされています。
補償には条件があります。責任限度額はお荷物1個につき30万円(税込)までで、発送前にお客さま側で正常に動作することを確認できない場合は、補償の対象外になります。準備の段階で動作を確認しておく意味が、ここにもあります。
自家用車で運ぶ場合の公式の案内は見つけられませんでしたが、梱包の考え方は同じです。モニターの上に他の荷物を載せない、画面に荷物が触れないようにする、箱の中でも車内でも動かないよう固定する、の3点を守ります。
「近距離だから毛布にくるむだけで十分」と考える人もいるでしょう。距離が短くても、発進や停止の揺れで荷物は動きます。箱に入れて動かないようにする手順は、距離に関係なく必要です。
運び方が変わっても、画面を守ることと動かさないことの2つは共通しています。
到着後すぐに電源を入れない理由
寒い場所から暖かい部屋へ運んだ直後は、室温になじむまで電源を入れません。温度差で機器の内部に水滴が付く「結露」が起きることがあるからです。
富士通のFMVサポートのQ&Aには、パソコンを温度の低い場所(寒い屋外など)から温度の高い場所(暖かい室内など)へ急に移動すると、空気中の水分が水滴になる結露が発生する可能性があると書かれています。内部で結露が発生すると、部品がショートするなど故障の原因になるとも案内されています。
対処は、直射日光が当たらない風通りの良い場所に置き、室温と同じくらいにあたたまるのを待ってから、電源を入れることです。待つ時間の具体的な目安は、このQ&Aには書かれていません。
私が確認した範囲では、モニター単体を対象にした公式のQ&Aは見つかりませんでした。ただ、温度差で空気中の水分が水滴になる仕組みは、電子機器に共通します。モニターも同じ扱いにしておくのが安全です。
場面としては、冬の引っ越しが分かりやすい例です。トラックの荷台や玄関先で冷え切ったモニターを、暖房の効いた部屋へ持ち込み、そのまま電源を入れるのは避けます。開梱して風通しのよい場所に置き、触れても冷たさが残らなくなってから、接続します。
届いた後の順番は、外観の確認、室温になじませる、ケーブルの接続、点灯の確認です。電源を入れる確認は、室温になじんでからにします。
「夏や暖かい時期は関係ないのでは」と思う人もいるでしょう。案内は季節で区切られておらず、温度の低い場所から高い場所へ急に移した場合を対象にしています。季節にかかわらず、温度差が大きい移動のあとは同じ注意が必要です。
すぐに使いたい気持ちを抑えて、室温になじませる時間をとることが、故障の予防になります。
設置後に高さと角度を見直す
引っ越し先の机では、画面の上端の高さと目からの距離を合わせ直します。机の高さや椅子の位置が変われば、旧居でちょうどよかった設定も合わなくなるからです。
厚生労働省の情報機器作業のガイドラインには、ディスプレイの上端が眼の高さとほぼ同じか、やや下になる高さにし、視距離は40cm以上を確保することが示されています。高さと角度の決め方は、モニターの角度と高さの決め方の記事で整理しています。
旧居では机に直置きでちょうどよかったのに、新居の机が高くて画面を見上げる姿勢になる、といった変化は起こりがちです。窓や照明の位置が変わって、映り込みが出る場合もあります。
距離については、I-O DATAの記事に、目とディスプレイとの距離を60cm以上あけると、目の負荷を軽減できると紹介されています。ガイドラインの40cmは最低限の目安で、画面が大きいほど、離れたほうが画面全体を見渡しやすくなります。新居の机の奥行きが浅い場合は、この距離を確保できるかも見ておきます。
確かめ方は簡単です。椅子に座って正面を向き、画面の上端が目線に重なるか、それより少し下に来るかを見ます。電源を切った状態で画面を見て、窓や照明が映っていないかも確認します。
「映っているからそのままで構わない」と考える人もいるでしょう。首や目の負担は気づきにくく、長く使うほど差が出ます。設置した日に一度見直しておくと、あとの調整が少なくて済みます。
運ぶより買い替えを選ぶ場合
元箱がなく、大きく、年数のたったモニターは、運ぶより買い替えたほうが結果的に楽な場合があります。梱包の材料と手間、運搬中の破損リスクを合わせて考えると、運ぶこと自体にコストがかかるからです。
ここまで見てきたとおり、元箱なしの梱包には材料と手間がかかります。宅配便の補償には、動作確認や責任限度額という条件があり、業者のモニターの扱いも確認が要ります。これらが積み重なると、運ぶ負担は小さくありません。
| 状況 | 選び方の目安 |
|---|---|
| 元箱があり、動作にも問題がない | 元箱に入れてそのまま運ぶ |
| 元箱はないが、画面が小さく新しい | 段ボールと緩衝材で梱包して運ぶ |
| 元箱がなく、大きく、年数がたっている | 買い替えも検討する |
| 画面に不具合や傷がある | 運ぶ前に買い替えを考える |
買い替えるなら、用途で選びます。動画中心なら、動画鑑賞用モニターの選び方の記事が参考になります。中古も選択肢に入れるなら、秋葉原で中古モニターを買う時の記事で、店頭での画面の点検や保証の違いを整理しています。
「まだ使えるのに、もったいない」と感じる人もいるでしょう。元箱があって動作も問題ないなら、運ぶ選択は正しいです。上の表は、迷った時に判断する目安として使ってください。
運ぶ手間と買い替えの費用を並べて見比べることで、納得して決められます。
モニターの梱包に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 元箱がなくてもモニターは運べますか?
A. 運べます。I-O DATAの案内では、液晶画面に段ボールをあてて四隅をテープで固定し、箱の底にクッション性のある緩衝材を敷き、すき間にも緩衝材を入れて動かないようにする方法が示されています。付属品は画面と逆側にまとめます。元箱があるほうが安心なのは変わらないため、メーカーが梱包箱を付属品として販売していないかを、公式サイトで確認しておくと選択肢が増えます。
Q2. スタンドは外したほうがよいですか?
A. 元箱なしで梱包する場合は、外すのが基本です。I-O DATAの案内は、台座やケーブルなどの付属品を外し、画面とは逆側にまとめて入れるとしています。ヤマト運輸のパソコン宅急便のよくあるご質問でも、台座を外して梱包する場合は緩衝材で包み、モニターと同じ場所に同梱しないよう案内されています。ただし、元箱の緩衝材がスタンドつきの形で作られているなら、その形に従います。
Q3. 当て板は段ボールではなく、新聞紙やタオルでも代わりになりますか?
A. 画面を面で守る当て板は、I-O DATAの案内どおり段ボールにするのが確実です。新聞紙や気泡緩衝材は、アート引越センターの案内でも緩衝材として一般的とされていますが、役割は箱の中のすき間を埋めることです。当て板と緩衝材を役割で使い分けると、画面に力が集まりにくくなります。
Q4. 引っ越し後に画面が割れていたらどうすればよいですか?
A. 開梱した日に状態を確認して写真に残し、早めに業者へ連絡してください。標準引越運送約款では、荷物の一部の損傷についての業者の責任は、荷物を引き渡した日から3か月以内に通知しないと消滅するとされています。梱包材は連絡がつくまで保管し、梱包前に撮った写真があれば、傷が増えたかどうかの確認に使えます。
Q5. モニターを宅配便で送る時の補償はどうなりますか?
A. ヤマト運輸のパソコン宅急便のよくあるご質問では、責任限度額がお荷物1個につき30万円(税込)までとされています。発送前にお客さま側で正常に動作することを確認できない場合は、補償の対象外になります。購入時の箱があればその箱で発送でき、ない場合は専用資材のBOXを使います。条件は運送会社や商品によって変わるため、発送前に案内を確認してください。
モニターの引っ越し梱包のまとめ
モニターの引っ越し梱包は、元箱があれば元箱に入れ、なければ画面に段ボールを当てて緩衝材で固定するのが基本です。スタンドとケーブルは外し、画面とは別の場所にまとめます。
運ぶ前は電源、配線、動作確認、写真の4点、届いた後は外観の確認と、室温になじませてからの点灯を守ってください。
業者に頼む場合は、モニターがあること、元箱の有無、梱包を誰が担当するかを、見積もりで伝えます。荷造りは荷物を出す側の役目とされ、壊れやすい荷物は申告が求められるためです。破損の連絡は、引き渡しの日から3か月以内が期限です。
手間や費用が重い場合は、運ぶ以外の選択もあります。元箱があって動作に問題がなければ運び、元箱がなく古く大きいモニターは買い替えも検討する。この見極めができれば、荷造りの負担は大きく減ります。
買い替えを考えているとき